米どころ新潟の稲作 〜お米の起源と歴史〜

ここではみんなが毎日食べるお米を作ってんだぁ〜 新潟県の自然や農業について勉強すっかぁ! 農家のおじさん

新潟県の自然と農業の役割

日本海側にあって、山と川に恵まれている新潟県は、米の産地で有名です。日本一長い信濃川をはじめ、たくさんの川が肥えた土と豊かな水を運んでくるため、下流には豊かな平野が広がっています。この自然が米づくりの条件に合っていたため、米づくりがさかんに行われるようになったのです。この平野を中心とした農地面積は、日本で第2位(平成28年)の広さになります。

イラスト
資料/農林水産省「農林水産統計」

気候

新潟県は日本海側にあり、春から夏には比較的よい天気が続き、雨も適度に降ります。冬になると、山間部を中心に多くの雪が降ります。この雪による大量の水が利用できること、夏は稲の成長に適した高温の日が多いこと、冷害や台風などが少ないことなどから、昔から稲作を中心とした農業が行われてきました。

グラフ:札幌と新潟の気候の違い(新潟平均気温:13.9℃、札幌平均気温8.9℃)、東京と新潟の降水量の違い(新潟年間降水量:1821.0mm、東京年間降水量:1528.8mm)
資料/気象庁「気象統計情報」1981~2010年平均

農業の役割

農業には、まず毎日の食料をつくって、人の命を育むという大切な役割があります。また、水田は雪や雨をたくわえる「自然のダム」として、洪水や地すべりなどの災害から守ってくれ、おまけにきれいな水や空気をつくる働きもしています。さらに、農業と深い関わりを持つ行事・風習などが、各地に伝わる文化を教えてくれています。そして、農村の美しい風景は、私たちが自然と親しめる場所にもなっています。

  • 食べ物をつくる
  • 環境を守る
  • 文化を次の時代へ伝える
  • 緑豊かな自然とのふれあい
参考/農林水産省HP「農業・農村の多面的機能」

水資源を守る水田

日本の雨の量は多く、梅雨時や台風の季節には、洪水が起こりやすいのですが、水田が大量の雨をためて、ゆっくり流すため、洪水を防いでいます。また、大量の雨が急激に流れても、水田の土砂は、あぜでせき止められているので、この土砂が流出して地すべりが起こることもありません。

図解

水田の水は太陽によって蒸発し、気温の上昇を防いだり、ふたたび雨雲をつくって雨をふらせます。また、水田にためている水は絶えず地下にしみこみ、約60%は川へ、約40%は地下水となります。そのせいで水のくみあげによって起こる地盤沈下(じばんちんか)も防いでいるのです。
さらに、かんがい水に含まれる余分のちっ素は、水田の土を通っていく間に無害のちっ素として、空中に放出されるという研究結果も出ています。
このように、水田は大切な水資源を保つのに、大きな役割を果たしているのです。

資料/農林水産省HP「こどもそうだん」

新潟県の農業

新潟県では米のほか、野菜、花、きのこなども全国的に高い生産量となっています。現在では、農業の機械化が進んだため、専業農家よりも兼業農家の方が多くなっています。経営規模の大きな農家が多いのも、新潟県の農業の特徴です。

地図:新潟県
参考/新潟県HP「にいがたの農林水産業」

農業で働く人たち

新潟県内には、約7万8,000戸の農家があります(平成27年)。これは全国で4番目に多い数字ですが、現在は年々、少しずつ減少しています。
また、農業の機械化が進んだり、農家の数が減っていることなどから、農家一戸あたりの農地面積は年々増えて、経営規模は大きくなってきています。

区分

新潟県

全国

全国順位

農家数 (平成27年度)
78,453戸
2,155,082戸
4位
農地面積(平成27年度)
172,000ha(田152,400ha/畑19,500ha)
4,496,000ha(田2,446,000ha/畑2,050,000ha)
2位(田2位/畑22位)
農業生産額(平成27年度)
2,388億円(米1,284億円)
87,979億円(米14,994億円)
13位(米1位)
区分 農家数(平成27年度)
新潟県 78,453戸
全国 2,155,082戸
全国順位 4位
区分 農地面積(平成27年度)
新潟県 172,000ha(田152,400ha/畑19,500ha)
全国 4,496,000ha(田2,446,000ha/畑2,050,000ha)
全国順位 2位(田2位/畑22位)
区分 農業生産額(平成27年度)
新潟県 2,388億円(米1,284億円)
全国 87,979億円(米14,994億円)
全国順位 13位(米1位)
資料/農林水産省「農林業センサス」「面積調査」「生産農業所得統計」

農地の利用のしかた

新潟県は稲作が中心の農業のため、田は農地の約9割にものぼります(平成27年)。一方、畑は海岸ぞいの広い砂丘地や川の両岸、丘陵地などにつくられてきました。最近では、稲作を減らすための転作などによって、田の中でも麦や大豆、野菜、花などがつくられています。

資料/新潟県HP「にいがたの農林水産業」

全国上位の農業生産額

田植機による田植え

新潟県の農業生産額の中で、米は約54%を占め、全国第1位となっています。また、野菜、くだもの、花、きのこなど、全国的にも生産順位の高い作物がたくさんあります。資料/農林水産省「生産農業所得統計」、新潟県HP「にいがたの農林水産業」

米づくりのようす

昔の新潟では、水はけの悪い湿田が多いため、洪水がたびたび起こっていました。また、人力や牛馬でたがやす稲作では、効率も上がらず、たいへんな苦労をしていたのです。
そこで、米の生産をあげるためには近代化が必要とされたのです。時代とともに、機械を十分に使えるよう、田の区画を大きくしていきました。
一方で、洪水を防ぐために、ダムや水路の整備も行いました。また、コシヒカリなどのすぐれた品種の改良や、栽培技術の研究も進めました。現在では、農作業の大部分は機械化され、短い作業時間で効率の良い米づくりが行われています。

資料/新潟県HP「にいがたの農林水産業」

稲作農家のくらし

信濃川や阿賀野川など、大きな川の下流に広がる平野では、耕地整理も進み、大規模で効率的な米づくりがさかんに行われています。しかし、山間部の水田では、現在でも人力や小型の機械を使った米づくりに頼っています。この地域では農業をする人口が減って、高齢化が進んでいます。

平野部の稲作

新潟平野とハサ木

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山間部の稲作

たな田

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参考/新潟県HP「にいがたの農林水産業」

日本人の食生活の移り変わり

お米は、日本人の大切な主食です。しかし現在、私たちの食事は、パンや肉、加工食品などが増えていったり、米の自由貿易化のために外国米を部分的に輸入しなければならないなど、米の消費量は昭和37年からくらべると、約半分に減っています。そうした理由から、米が大量にあまるようになり、国では1970年から生産調整を行ったのです。このため、農家では稲作を減らし、他の作物をつくらなければならなくなり、新潟県でも約12%の田で大麦や大豆、野菜などが栽培されるようになりました(生産調整は2018年に終了)。

資料/農林水産省「食料需給表」「作物統計」

おいしい米づくりのために

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県農業試験場(長岡市)
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新品種の開発

新潟県は、日本でもっとも早く品種改良を始めた県です。昭和6年には「農林1号」という品種が生まれました。その後、これを親として交配を進め、昭和31年に登場したのが「コシヒカリ」。当時、コシヒカリは病気に弱く、栽培が難しいので、あまり栽培されていませんでした。しかし、昭和50年代に、再びコシヒカリのおいしさが見直されだし、それにともない、栽培技術の改良を行い、現在では新潟県の作つけ面積の約7割(平成28年)をコシヒカリがしめるほどとなりました。しかし、同じ品種が多くなると、収穫時期が重なったり冷害や病気が広がりやすいという欠点があるので、農業試験場では現在、新しい品種の開発を進めています。

参考/新潟県HP「にいがたの農林水産業」

水田や農地をととのえる努力

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水はけの悪い田での昔の稲刈り
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亀田ごうを洪水から守る
親松排水機場

毎年、品質の良い作物を安定して収穫するため、また作業の効率をあげるために、農地の整備が行われています。水不足に備えて、昔はため池をつくっていましたが、現在では土木技術が進歩し、大きなダムがつくられています。
また、安心して大きな川から水を引けるように、川の流れをせきとめる頭首工(とうしゅこう)と呼ばれるコンクリートのせきもできています。最近まで、水はけの悪い、沼や潟(かた)、湿地が多かった新潟県では、排水路を掘り、ポンプによって水をくみだしています。
昔は、一枚の田が小さく入りくんで、作業の効率の悪かった田も、県の約6割(平成27年)が整備されています。このため、大規模で機械化された経営ができるようになりました。

  • 水不足に備える
  • 水はけを良くする
  • 区画の整理
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耕地整理される前の田
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耕地整理した後の田
参考/新潟県HP「にいがたの農林水産業」「水田整備状況」