三位一体で品質向上に取り組む

お客様に長く愛される亀田製菓の味を守り、亀田製菓に対する安全・安心への信頼やご期待に応え続けるために、原料の調達から、商品の開発・生産、お客様のご意見・ご要望を受け取り社内にフィードバックするまで、各部門がまさに“三位一体”となって品質向上に力を注いでいます。その取り組みについて、現場をけん引するリーダーたちからご紹介します。

お客様の声
原料
開発・生産

〔 お客様相談室 〕の視点から

お客様の声に耳を傾け
ものづくりにつなげる起点に

お客様相談室 室長 川口昌信

お客様相談室には、電話やお問い合わせメールなど毎日60〜70件のお客様の声が寄せられます。それら1つひとつに耳を傾け、「安全・安心・おいしさ」の観点から気になったご意見・ご要望をデータ化し、日次、週次、月次単位で関係各所にレポートしています。また経営会議にて経営陣にも直接お客様の声を届けたりしています。

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「小さな声」にも真摯に対応したい

一人のお客様の小さな声に“引っかかる”という室員の気づきの中に、改善や変化の起点があります。それらを工場や購買部に共有することは私たちの重要な役割です。

以前、ロングセラー商品「ハッピーターン」に入れている品質保持剤が個包装の中に紛れ込み、不安の声が寄せられたことがありました。もちろん健康に害はありませんが、安全・安心を求めるお客様の心に寄り添うべき課題と感じました。そこでお客様の声を工場や購買部と共有し、新しい包材を使用した包装を導入、品質保持剤を使わずに食品から出るにおいを抑えつつハッピーターンのサクッとした歯ざわりをキープできるようになりました。

健康や環境への配慮も
お客様に寄り添って

近年、プラスチック削減に関するご意見や、アレルギー、塩分や糖質の使用量などのお問い合わせが増え、お客様の環境問題や健康に対する意識の高まりを肌で感じています。そうした動向を分析し、各部署と連携しながら必要な取り組みを進めていけたらと思っています。

お客様の声を品質向上に反映させるうえで最も大切なことは、お客様に寄り添う気持ち。もっとお客様の声に耳を傾け、商品の品質だけでなく、商品を取り巻く環境の改善にも繋げられるよう、三位一体の連携を強化してまいります。

お客様の環境意識の高まりを受け、スリム包装に変更した商品。仕切り用のトレーをなくし、外袋を内袋ぴったりの幅にすることで、プラスチック使用量を30%削減。このような商品には「ECOパッケージ」マークがつけられている。

〔 購買部 〕の視点から

より良い原料の調達で、さらなる
「Better For You」を目指す

購買部 部長 西山和孝

購買部は、食品の原材料から包装資材まで、商品づくりに必要なあらゆる資材を仕入れ、工場への調達を担う部門です。「安全・安心・おいしさ」を基軸に、常に同じ水準の原料や資材の安定的・継続的な調達を可能にするために、取引先を厳選して商談を行っています。専門性の高い各業者さんと対等に渡り合えるように、商品開発やものづくり経験者が多く在籍しています。

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工場とお客様の要望を原料調達に反映

米菓の原料であるお米は、全国の産地から様々な品種を調達しています。工場では、水分量やアミロースの含有量など、違いがある原料をおせんべいごとに最適化して使用するので、ソフトタイプせんべいに適したお米、堅焼きせんべいに適したお米など、それぞれの品種の特性を見極めて調達するよう心がけています。それでも工場長から「この原料じゃ、求める品質に適さない」とダメ出しされることも。工場とは常に膝詰め談判のコミュニケーションを取りながら仕事に励んでいます。

三位一体で持続可能な原料調達を目指す

地球温暖化などの影響で食材の適正産地が大きく変化してきた昨今、持続可能な原料調達が重要な課題になっています。また、脱化石燃料、プラスチック削減なども大きなテーマ。お客様相談室からの共有情報にも隈なく目を通し、原料調達に生かしています。昨今のお客様の声にはSDGs関連のご指摘やご意見が多く、現代のニーズに呼応するマテリアル探求の大きなヒントになっています。

原料調達・お客様対応・生産ラインがそれぞれの立場から知恵を持ち寄り、三位一体で環境に配慮したものづくりに取り組まなくてはと、思いを新たにしているところです。

原料のお米は、全国から各米菓に合ったものを調達。工場と連携し、より良い品質のものを探す。

〔 生産本部 〕の視点から

亀田製菓の味を守り、
理想の製品を生み出す連携力

白根工場長 石本達也

いつも変わらぬおいしさを保つため、工場では原材料の受入れから仕込み、仕上げ、味付け、包装までの全工程で品質管理を徹底しています。完成後は、検査専門の従業員が厳しくチェック。味やにおい、食感など、わずかな違いも見逃しません。精度の高い機械と人間の五感や技、その両輪で安全と品質を守る。そしてお客様の期待を超える商品を生み出す──その現場が工場です。

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購買部とは何でも言い合える関係

米菓がおいしくなる鍵は、米粉を蒸し、団子状(仕込団子)にする工程にあります。特に重要なのが原料米の質。新米の時期は特に緊張します。炊いて食べるには最高の新米も、仕込団子にするにはそのみずみずしさが欠点にもなるからです。そのため、購買部と緊密に連携して早めに仕入れ、工場でテストを繰り返してその年なりの条件づくりを行う一方、購買部でも新米を少し寝かせてから工場に供給するなどの工夫をしてくれています。

お米に限らずすべての原料は品質を左右します。工場と購買部、遠慮なしに希望や不満を言い合える関係でなければ、いいものづくりはできません。

三位一体で取り組んだ「亀田の柿の種」の改善

毎週行う連携ミーティングは、購買部で調達する原材料に変更があれば工場で試作テストを行いその問題点を議論したり、お客様相談室から共有されたご意見の解決策を話し合ったりする場となっています。

「亀田の柿の種」は、お客様の「もっとカリッと軽い食感に」との声が改善の起点となりました。軽い食感と割れやすさは背中合わせです。そこで購買部が原料選びから見直し、米粉メーカーも巻き込んで開発を進め、より理想的な「亀田の柿の種」へと進化させました。

今後もリアルタイムで協議できる関係を大切に、三位一体となって新商品の開発や品質改善に取り組んでいきます。

米菓のおいしさの鍵となる、米粉を蒸して団子状の生地にする工程。お米の状態によって機械の調整が必要になるため、購買部との事前の連携が重要だ。

*所属部署、役職、業務内容については取材当時のものです。