米菓のかたさの研究

米菓について

日本の食文化に最も深いかかわりを持つお米。
古来から日本人はお米を利用して、お酒、みそ、しょうゆ等の色々な食品を作り出してきました。

その中でも米菓は日本独特の嗜好品として発展し、おせんべい、あられ、おかきとして広く日本人に愛されてきました。特に戦後様々な種類の米菓が開発され、幅広い年代層に受け入れられてきました。
そのためか、米菓はお菓子の中でも幅広いテクスチャー(食感)を持っているのが特徴です。
お子様向けのソフトな食感のものから草加せんべいのような非常にかたいものまで販売されています。

そこで、食品開発研究所では米菓独特の幅広いテクスチャーと製造技術に注目し、研究をおこなってきました。

研究のきっかけ

お客様から、「かたい米菓が食べられなくなった」、「買う時、かたいかどうかわからない」と言うようなお声をいただくことが多くなりました。しかし、米菓のかたさに関する研究は全くと言っていいほどありませんでした。
そこで、お客様にかたさの目安をお知らせすることができるように研究を開始いたしました。

研究内容

市販の米菓を無作為に110品購入し、米菓全カテゴリーをまんべんなく試験できるように88品を選択して試験に用いました。

この米菓88品の
①米菓密度(米菓内部の固体量)
②最大荷重(割れるときのかたさ)
③官能評価(人が感じるかたさ)
を測定しました。

すると、図1に示すように、かたそうな米菓ほど空気の量が少なく、①米菓密度(米菓内部の固体量)の値が大きくなることがわかりました。食べるとかたく感じる草加せんべいタイプの「鬼太鼓たまり味」の断面写真は、空気が少なく壁厚も厚いことがわかります。

図1

さらに測定を進めると、②最大荷重(割れるときのかたさ)がかたそうなものほど値が大きくなる傾向があり、③官能評価(人が感じるかたさ)も数値化できることがわかりました。
以上の3項目を合わせてグラフにすると図2のようになりました。

この結果から、米菓のかたさを5グループに分類できそうなことがわかりました。
もっともやわらかいのグループ1は、ベビー用の「ハイハイン」が含まれます。
もっともかたいのグループ5には、草加せんべいタイプの「鬼太鼓たまり味」が含まれています。

図2

研究者の声

米菓の人に対する効果効能研究は、まだ広くおこなわれていないのが現状です。米菓の消化性、またはテクスチャーを活かした咀嚼機能の向上、親子のコミュニケーションフードとしての役割など、米菓にはまだ見つけられていない良い点がいっぱいありそうです。今後も米菓の良さを見つける研究を進めていきたいと思います。