米菓の内部構造の研究

米菓の食感

「米菓=かたい」と思われる方が多いかも知れませんが、実は、米菓はやわらかい食感のものから、かたい食感のものまで、多様な食感を持つ食品です。もち米を主原料とする米菓は「あられ・おかき」と言い、食感がソフトなのが特徴です。対して、うるち米を主原料とする米菓は「せんべい」と言い、どちらも様々な食感があります。
全国米菓工業組合HP参照

研究のきっかけ

多種多様な食感をもつ米菓ですが、それらを作る要因は何なのでしょうか?
食感を作る要因を調べることで、お客様に、より美味しい・面白い食感を提供し続けることを目指し研究を始めました。

米菓の中身

米菓は、お米を蒸す、練る、伸す、成型する、乾かす、焼く、味付けするといった多くの工程を経て製造されますが、細部は商品毎に異なります。こうして作られた米菓は形状が様々あり、その中で我々は米菓の内部構造に注目しました。X線マイクロCT (Computed Tomography)という、医療分野では脳の断層撮影等に使用されている装置を用いて、米菓の中身を可視化し、微細構造の観察をしています。同時に、官能評価(人の感覚を使った評価)を行い、構造と食感との関係について研究しています。

『亀田の柿の種』の内部構造

例えば、亀田の柿の種は「いつでもカリッと」した食感ですが、内部の空洞割合が大きいものがカリッと感を高めていることが分かってきました。下図は、赤い部分が柿の種の中の空洞で、白い部分が生地です。

『亀田の柿の種』の中空構造
(赤:空洞、白:生地)

「あられ・おかき」と「せんべい」では、内部構造が大きく異なっており、『サラダホープ』(新潟県内限定販売)などのあられに見られる大きな気泡構造がソフトですうっととけるあの食感に大きく影響していることも分かってきました。

「せんべい」と「あられ・おかき」の内部構造の違い
左:『鬼太鼓』 右:『サラダホープ』

味付けの特徴

味付けも米菓の美味しさに重要な要素です。醤油せんべいの醤油の染み込み度合いを可視化することで、商品の特長をお客様に分かり易く伝えるための研究も行っています。『技のこだ割り』は二度づけ製法なので、中まで醤油が浸透していることが分かります。

醤油の染み込み度合いの可視化
左:『鬼太鼓』(一般的な醤油せんべい)、右:『技のこだ割』(醤油をより染み込ませたせんべい)

研究者の声

日本の伝統的で身近な米菓ですが、最新技術で分析すると違って見えてきます。また一言に「米菓」といっても原料や製法、味付けによっても食感は変化し、それぞれに異なる構造を持っています。これら構造の違いが、食べている時の口どけ感にも影響を与えていることも分かってきています。どんな構造体がどのような食感を「創る」のか、どうすれば望む食感が「造れる」のか、まだまだ研究する必要のある面白く難しいテーマです。これからも米菓の美味しさの秘密を追求していきたいと思います。